平成の30年間で、春夏合わせて25の勝ち星を甲子園で挙げ、2015年のセンバツには、北陸勢として初となる、甲子園制覇を成し遂げた福井県の敦賀気比高校。
チームを2011年から指揮しているのは、選手時代に甲子園出場を果たし、社会人野球でのプレーや中学野球の指導をした経験を持つ、OBの東哲平監督である。
東監督は、選手時代に周囲から実力を評価され天狗になり、自主練などの「努力」をせず、挫折を味わった自身の経験を伝えながら、自ら「努力」できるような選手を育てている。
そのため、選手たちに無理やりノルマを課したり、決めつけた指導はせず、選手を支えるための「気づかせ役」に徹している。
間違いやミスをした選手がいればサポートをし、結果を出して過信しつつある選手には、現状に満足しないよう注意を促すなど、選手に適したアドバイスを送っている。
また、週に2、3日は寮に泊まり、選手の私生活を指導することもあれば、テスト前には、勉強会を行わせ、赤点を取った選手は遠征に連れて行かないなど、「野球だけ」の選手を育てないようにもしている。
教え子に同じ失敗をさせないようにという気持ちを持ちながらも、考え方を押し付けたりすることなく、個々のレベルを高める東監督の指導が、敦賀気比の強さを支えているのだろう。
「「自分の力で課題を克服し、上達につなげていってほしい」/敦賀気比 東哲平監督」への1件のフィードバック