甲子園で春夏合わせて60を超える勝ち星を挙げ、2度の優勝経験も持つ都の名門、早稲田実業。
そんな伝統校を1992年秋から指揮しているのは、選手時代に春夏甲子園出場を経験しているOBの和泉実監督である。
和泉監督は、選手の「感性」や「考え」を優先した選手主体のチームを目指し、指導を行なっている。
そのため、日々の練習では選手に新たなスキルや技を身につけさせるのではなく、選手たちが持っている存在能力や長所を引き出すアドバイスを送ることを中心に行なっている。
失敗やミスの続く選手にも、具体的な解決方法を教えるのではなく、問題の解決に近づくためのサポートをし、考える力の高い選手には黙って見守ることもある。
一見、「放任」にも思えるスタイルではあるが、普段の練習から常に考える癖を身につけさせていることで、監督の指示が伝わりにくい試合でも、選手だけで冷静に判断し処理することができるのだ。
それを象徴するように、試合中に和泉監督が出す指示やサインを選手が無視をしても、目的や意図が間違っていれば怒ることはしない。
細かなサインや作戦に拘らず、選手たちを信じた和泉監督の采配が、名門を再び全国制覇へと導くだろう。
「「最悪な時にどう手立てを準備するかが僕の仕事」/ 早稲田実業 和泉実監督」への1件のフィードバック