近年、高校野球の指導では、「考える力」を身につけさせるために、選手主体の自主性を取り入れ、指導者が一方的に考えを押し付けるケースか少なくなっている。
山梨学院を指揮している吉田洸二監督もまた、サポートや指示は出すものの、基本的には対話を重視して、選手の意見を尊重して指導を行っている。
吉田監督は、選手たちに指導する際に、間違ってい部分や、改善出来る点をを見つけては、極力アドバイスを送り、指示通りのプレーへ変えることを勧めている。
それでも、選手たちが「こだわっているもの」があれば、例え、指示を守らず、自らのスタイルを貫いても怒ることはせず、見守るようにしている。
一人一人の持ち味が消えることは、マイナスとなると考え、各自が考え抜いて持ち続けている、「こだわり」においては、否定をせずに、より良いものになるよう、支えていく。
しかし、指示を指示を一切守らない自分勝手なプレーになっている場合や、「こだわり」が意地を張っているだけになっている選手には、話す機会を作り、見直すことを提案している。
得たアドバイスは、聞き入れる必要はないが、参考材料として取捨選択し、考えたり試した上で、判断することが、大切であると伝え、聴く力を育てることを促している。
また、吉田監督自らも学ぶことや、人の意見を聞き入れることを積極的に行っており、外部コーチや、他の指導者の意見に耳を傾けては、練習メニューや試合に取り入れ、試行錯誤を繰り返している。
清峰高校の監督時代には、センバツを制した実績を持っているが、優勝監督の肩書きに驕ることなく、選手たち同様に、日々成長を目指しているのだ。
勝つことや優勝を目指しながらも、考える力と聴く力を同時に育て、自らも進化し続ける吉田監督の指導と采配に、今後も目が離せない。