春夏合わせて、60を超える勝ち星と2度の全国制覇を誇る三重県勢。
そんな、三重県で県内屈指の進学校として有名なのが県立松阪高校である。
創部66年目の2012年の夏に初の甲子園出場を決め、一躍全国から脚光を浴びた。
そんなチームを率いていたのは、松葉健司監督である。
松葉監督は、2002年の夏に久居農林高を初の甲子園に導くなど、甲子園の経験のない公立高校で結果を残している。
松阪高校での指導は、集中力を高め、「質」の高い練習を目指していた。
進学校のため授業も長く、毎日の練習は2時間のみと限られていることを考慮し、「量」ではなく「効率」を考えて、練習を行っていた。
また、選手たちの「考え」を把握するために、選手と何度も対話をしていた。
指示を出して、指示待ちの選手を育てるのではなく、適切な目標を選手自身に決めさせ、それを達成するようアドバイスをしていた。
自ら目標を決め、自分やチームの現状を把握することで、少ない練習や限られた環境でも、結果が出るのだろう。
決して飛び抜けた能力のある選手がいたわけではないが、少ないチャンスを確実にモノにする「集中力」を生かして得点を挙げ、最少リードを投手が中心となって堅い守備で凌ぐことで、甲子園へ出場できたのだろう。