「県大会の準々決勝以降は全国大会の1、2回戦より勝つのが難しい。」とまで噂されるほど、強豪校がひしめく激戦区神奈川県。
県勢の全国制覇回数は春夏合わせて、13回を数え、優勝経験校も5校存在し、まさに、激戦区という言葉がピッタリである (2019年時点)。
そんな激戦区神奈川で、21世紀に入って頭角を現し始めているのが横浜隼人高校である。
2009年夏は、優勝候補の筆頭であった横浜高校を倒し、甲子園初出場を決めた。
そんなチームを指揮するのが、水谷哲也監督である。
水谷監督の横浜隼人といえば、「隼人園芸」である。
監督の「神奈川の野球のために」という考えから始まった球場手伝いは、現在では、グランド整備や、ボールボーイなど、一人一人役が与えられ球場管理人のように、横浜隼人の選手たちが会場を走り回る。
世間からは、「そんなことをしているから勝てない」、「練習の時間に使え」などと批判を浴びることもある。
だが、監督は選手たちが球場補助を通して、「自分の役割や価値」を学ぶことができチームのプラスの面に役立つと判断し続けている。
勝負の世界に「神」や「運」が存在や関係するかは定かではない。
しかし、人の為にすることが得を積み、ファンや観客を味方することはできる。
そんな「応援されるチーム」を毎年作り上げていることが、水谷監督の凄さなのだろう。