「精神論も大事ですけど、選手は野球をやりに来ているんですから、野球で育てないと」/ 日大三 小倉全由監督

21世紀に入って夏の甲子園で二度の全国制覇を成し遂げている名門、日大三高

チームを指揮するのは、小倉全由監督である。

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グランドの外でも選手との距離は変わらず、選手の誕生日にケーキで祝ったり、体調不良の選手を夜中まで看病するなど選手愛で溢れ、選手たちの「父親」のような存在である。

そんな駆け引きなしに、常にありのままで接してくれる小倉監督を、いつしか選手たちは「監督さん」と親しみを込めて呼ぶようになっていった。

選手と同じ目線で共に汗や涙を流し、同じ温度で夢を追いかけ、ドクターストップのかかっている自身の身体に鞭をうってまで、グランド整備や練習準備、苦しく辛いトレーニングなども選手と一緒に行う姿は、チームメイトのようである。

監督自らが行動で示しチームを引っ張り一緒になって取り組むことで、選手の気持ちが理解でき、監督との信頼関係がより深まるのだろう。

また、高校野球の指導者では珍しく、「精神論」を語り押し付けて育てることはせず、野球がしたくて入学してきた選手たちに野球を通して人間的な部分を成長させているのも、小倉監督のスタイルである。

小倉監督の選手たちへのと、選手たちの監督への感謝という、双方の「気持ち」が力となり、技術を後押しするのだろう。

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