春夏合わせて4度の全国制覇と、公立高校として最多の勝ち星を甲子園で記録している、県立岐阜商業高校。
チームを2018年から指揮しているのは、秀岳館の監督として3季連続で甲子園4強へ導いた実績を持つ、OBの鍛治舎巧監督である。
鍛治舎監督は、低迷しつつあった母校の立て直しを託され、様々な改革を行いながら、「名門復活」を目指している。
就任当初のチームは、トップレベルの選手であっても、秀岳館のメンバー外選手ほどのスキルしかなかったが、「伸びしろ」と捉え他者や他校との比較をさせず、自分自身に勝つことに専念するよう選手たち伝え、指導をスタートした。
私学強豪校とは異なり、練習時間が限られていることから、ウォーミングアップから見直し、無駄な時間や作業は省いたり、あらゆる練習メニュに数値化するなど、「質」重視の練習スタイルを確立していった。
また、甲子園や全国制覇という漠然とした目標で、選手たちに言葉で練習へのモチベーションを持たせるのではなく、甲子園常連校とのチームと練習試合を頻度に行い、目で見て肌で感じた「経験」を練習への糧とするようなスタイルへと変更した。
そして、ユニフォームの変更や選手獲得に力を入れるなど、伝統や常識、周囲からの評価にとらわれず、選手やチームのためにあらゆる面の変化に力を入れている。
名門の復活のためだけでなく、チームの将来を見据えて改革を続ける鍛治舎監督の指導から、今後も目が離せない。
「「一人では何もできない、だけど、一人が始めないと、何も変わらない」/ 県岐阜商 鍛治舍巧監督」への2件のフィードバック