21世紀に入り初の甲子園出場を果たし、今や甲子園の常連校として全国から注目を集める存在となったのが福島県の聖光学院である。
2007年から続く夏の甲子園連続出場記録は、戦後最長記録を樹立し、毎年自校の記録を更新し続けている。
また、2008年夏から5年2ヶ月間県内負け無し記録も残すなど、県内では抜群の安定感を見せつけている。
そんなチームを1999年の無名時代から指揮を続け、全国レベルの強豪へと育て上げたのが、斎藤智也監督である。
斎藤監督は、「野球」というものに対して、テクニックだけでなく、「道」を求め、選手たちの人格を磨きながら指導をしている。
監督就任当時は甲子園を目指すも、他校と比べれば、技術や選手のポテンシャルなどは決して良いと言える状態ではなかった。
それらを補うための打開策として、高校野球では最も影響がある「心技体」の「心」の部分に特化した指導を行ったのであった。
「心」を鍛えるために必要な書籍は一通り読破し、自身が学んだことは選手たちにプリントにまとめ配布したり、ミーティングで何度も熱弁し余すことなく伝えた。
「不動心」というスローガンを掲げ、過去の失敗や未来に対する不安などにとらわれるのではなく、「目の前の物事」にのみ集中する習慣をつけさせた。
初の甲子園出場を決めた県予選の決勝では、延長11回に4点勝ち越されるという、誰しもが諦めたくなるような展開であった。
だが、斎藤監督の教えを学んでいた選手たちには焦りも諦めもなく、自分たちの野球を信じ、見事5点を挙げてサヨナラで勝利を掴んだのであった。
高い「技術」だけでなく、強い「精神」を持った聖光学院の監督と選手たちが、悲願の全国制覇を達成する日はそう遠くはないだろう。
「「やっている人間が腐っていれば、ボールも死んでしまいます」/ 聖光学院 斎藤智也監督」への2件のフィードバック