春夏いずれの甲子園も出場しながらも、幾度もあと一歩のところで、勝利を挙げれずにいた國學院久我山。
そんなチームの歴史を塗り替える、学校史上初の甲子園勝利へと導いたのは、尾崎直輝監督である。
尾崎監督は、野球部やOBの悲願である甲子園での勝利を託されての就任となった。
しかし、学業との両立を掲げる学校の方針で、平日の練習は3時間に限られているなど、決して野球に打ち込める環境が整っているわけではなかった。
また、中学時代に高いレベルでプレーしていた選手たちが入学してくる都内の強豪校には、個々の力では劣っていた。
それでも、自分たちにできる野球に専念するように促し、無いことを嘆くのではなく、有るものを探して活用するようにした。
指導者も含めた全員野球を展開したり、練習以外の空き時間を有効活用させるなど、努力と工夫を積み重ねた。
そして、試合でも相手を意識するのではなく、自分やチームと向き合って落ち着いて野球をすることを促し、最善を尽くすことに専念させた。
その結果、就任6年目にはチームは下馬評を覆して都大会を勝ち上がると、甲子園でも劣勢に動じることなく、自分たちの野球を展開し、見事、甲子園初勝利を掴んだのであった。
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