2008年の夏、前年準優勝校として徹底マークをされながらも県大会を勝ち抜き甲子園出場を果たした、広島県の広陵高校。
当時、チームの1番打者を務めていたのは、前年の準優勝にも貢献し、3年夏には史上初の兄弟揃っての先頭打者本塁打を記録するなどの活躍を見せた、上本崇司選手である。
上本選手は、中学時代に軟式野球のクラブチームで西日本大会準優勝するなどを経験していた。
しかし、広陵高校進学後は、慣れない寮生活や厳しいチームのルールなどに苦戦し、野球に集中できる状態ではなかった。
また、部員数が100人を超えるチームの激しいレギュラー争いや、初めての硬式野球にも対応できずのスタートであった。
それでも、中井哲之監督が重視する、挨拶や学校生活、勉強などの「人間力」も細かく指導を受け、人としても成長してたことで、自然と野球の技術も伸びるようになっていった。
その結果、1年秋からはレギュラーとして試合に出場するようになり、2年の夏の甲子園では準優勝に貢献するなど、全国からも注目される選手になっていった。
最後の夏には、2回戦で敗れるも、史上初の兄弟揃っての先頭打者本塁打や、2試合連続マルチ安打などの記録を残したのであった。