26度出場した夏の甲子園で60もの勝ち星を残していることから、「夏将軍」と称されている愛媛県の名門、松山商業。
しかし、21世紀に入って以降は、強豪私学などの躍進もあり、甲子園からは遠ざかっている。
そんなチームの再建を託されたのは、同県のライバル校である今治西での指導経験も持つ、大野康哉監督である。
大野監督は、今治西の指導時代に甲子園出場はもちろん、全国での上位進出も経験しているため、就任時には周囲から名門復活を期待する声が多かった。
その一方で、大野監督への期待は、選手たちのプレッシャーにもなり、試合では萎縮したプレーや消極的なミスが多く見られた。
そこで日々の練習では、ただただ指導をするのではなく、選手たちが挑戦しやすい環境を作ったり、雰囲気の演出を意識した。
また、自身の過去の成績やチームの伝統を押し付けることをやめ、現状の選手たちに最適な指導を行うようにした。
その結果、選手たちはのびのびとプレーをしたり、新しい伝統を築こうと積極的に行動するようになっていった。
自身の経験値やチームのスタンスに基づくのではなく、今いる選手たちに最適なアプローチで指導する大野監督に導かれる松山商業が、甲子園に帰ってくる日は近そうだ。
↓大野康哉監督の記事はこちら↓
- 「甲子園出場、そしてその先にある全国制覇という目標だけで終わらせたくない」/ 横浜 村田浩明監督
- 「一流選手に近づくためには、苦い経験をたくさんすること、素直な気持ちを持つこと」/ 二松学舎大付 市原勝人監督
- 「失敗したら取り返しがつかないような状況では積極的にプレーできないんです」/ 慶應義塾 森林貴彦監督
- 「甲子園出場は目標ではあるけれど、唯一の絶対目標という考え方はしない」/ 三重 中村好治監督
- 「指示だけでは指導者がいるときは一生懸命やっても、目を離した途端にやらないようになってしまう」/ 米子東 紙本庸由監督