夏の甲子園4強進出を筆頭に、全国の舞台でも数々の実績を残している長崎日大高校。
県内では、安定して上位進出を続けていることに加え、プロ野球選手も輩出していることから、その知名度は高い。
そんな長崎日大を指揮していたのは、沖縄尚学を率いて、全国制覇を成し遂げた経験を持つ、金城孝夫監督である。
金城監督は、沖縄尚学を全国トップクラスの強豪へと育てるだけでなく、県勢初の日本一も成し遂げていたことから、就任時には大きな話題を呼んだ。
しかし、金城監督が指導者生活で最もこだわっているのは、人間形成であり、技術をレベルアップさせることは二の次であった。
そのため、就任当初から、学校や寮、私生活を含めた、あらゆることにルールを設け、全員で徹底させることに力を入れていた。
例えレキューラーであっても、少しでもルールを守れていなければ、試合に起用しないことはもちろん、メンバーにすら選ばなかった。
そこには、僅かな甘さや、その場しのぎの優しさは、勝負時の隙になるだけでなく、人としての弱さにもつながるという、持論があったのだ。
どれだけ優れた結果を出しても、人を育てることにこだわり続けた金城監督の教えは、多くの教え子たちの支えとなっている。