2016年の夏の甲子園でベスト16入りを果たした、大阪府の履正社高校。
当時チームのエースを務めていたのは、最速150キロを甲子園で記録し、日本代表にも選出された、寺島成輝選手である。
寺島選手は、中学時代に世界大会優勝を経験していたこともあり、入学当初から注目され、1年時からベンチ入りをし、期待されていた。
しかし、甲子園の道は遠く、2年夏にはライバル大阪桐蔭戦で登板し、最速145キロを記録しながら5失点を喫しチームは敗れた。
気持ちが切り替えられなかった秋の大会では、背番号1、主将という重圧もあり、府大会で敗れセンバツを逃した。
そこで、主将としてチーム内の課題であった積極性を練習から意識するよう目標を掲げ、選手間同士で意見を言い合える環境づくりを行っていった。
また、投手としての成長も目指し、球速アップや投球の幅を広げるための投球術なども身につけてながら、マウンドでは、必要以上に主将という責任感を背負わず、投球に集中することを意識するようになっていった。
最後の夏には、激戦の大阪を制し甲子園で自己最速を更新すると、続く国体では優勝を達成し、有終の美を飾ったのであった。