「技術を上げるには同じことの繰り返しを、いかに高い意識を持って取り組めるか」/ 享栄 大藤敏行監督

母校、中京大中京を全国最多の春夏合わせて11度目の全国制覇へ導いた、大藤敏行監督は現在、2000年のセンバツを最後に甲子園から遠ざかっている享栄を指揮している。

県内のライバル校への移籍、享栄史上初のOB以外の監督として話題を集め、その手腕は全国から注目を集めている。

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選手と指導者生活合わせると、約35年もの時間を中京大中京で過ごしてきたが、自身の野球観を押しつけることなく、享栄のチームカラーを尊重し、指導している。

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その一方で、足りていない部分や課題が見つかれば、修正するようにし、新しいチームスタイルの基礎を作り上げている。

具体的な例を挙げると、チーム内の選手同士でのコミュニケーションや、指導者と選手間の対話機会を増加させたことだ。

個々の能力は他校と比較しても、決して低くないが勝てていない状況の裏には、チーム力の差があると感じたからである。

試合後だけのミーティングを練習後や練習中にも行い、課題や反省点をその都度修正するようにさせたことで、仲間の考えや指導者の意図が伝わりやすくなるというメリットが得られた。

その他にも、選手との対話では話の内容や時間にこだわるのではなく、選手の理解度言葉遣いを重視し、自身の想いが正しく届いているかを確認することも行った。

解釈や価値観の違いで、間違ったまま認識をし、お互いに誤解が生まれれば、信頼関係が築けないからである。

チームや選手たちの長所を上手く引き出し、生産性の高い練習環境を整えながら甲子園を目指す大藤監督の第二の指導者生活は、まだ始まったばかりだ。

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