限られた練習環境に不満を嘆くのではなく、工夫を凝らして結果を残す英明高校を指揮していた、香川智彦監督。
高校野球を教育の一環と考え、選手たちを人として成長させることをモットーとした指導法には、定評がある。
だが、指導者生活をスタートさせた頃は、周囲から勝利至上主義と称させるほど、勝つことにこだわっていた。
かつて指揮していたチームでは、周囲から結果を求められていたことに加え、専用グラウンドの整備や高いレベルの選手を揃えるなど、環境を整えてもらっていたからだ。
しかし、自らの勝ちたいという欲望のためだけで指導を続けつた結果、選手たちと信頼関係を築けず、甲子園にもたどり着けなかった。
そこで以降は、勝つこと以外の大切なことを教える必要があると考え、人間教育にも力を入れた。
中でも、練習環境が限られている英明高校での指導では、選手たちにどんな状況でも工夫を凝らせば結果が出ることを伝えた。
また、選手たちとの信頼関係を重視し、任せた上での失敗には叱るのではなく、責任を持つようにして背中を押し続けた。
野球を通してベストを尽くす方法や、信頼の大切さなどを伝えたことによって、英明高校は創部5年という早さで、甲子園出場を果たしたのであった。
↓香川智彦監督の記事はこちら↓
- 「練習は人にやらさられるのではなく、自らやることが大切」/ 春日部共栄 本多利治監督
- 「高校野球は、ない中でどうやるかの野球」/ 如水館 迫田穆成監督
- 「基本はなくても基礎はある」/ 創成館 稙田龍生監督
- 「過去や結果を考える前に、今何ができるかを最優先に考えよう」/ 池田 岡田康志監督
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