130年を超えるチームの歴史に加え、全国制覇を成し遂げた実績もある、高校野球界を代表する伝統校、慶應義塾。
常に激戦区の神奈川において、上位進出を続けていたことから、全国レベルの強豪として認識されている。
そんな慶應義塾を指揮しているのは、伝統を継承するだけでなく、新たなスタイルの確立も目指している、森林貴彦監督である。
森林監督が就任した当時のチームは、甲子園から遠ざかっていたものの、決して低迷している状態ではなかった。
そこで、新たに何かを身につけさせるのではなく、選手たちが持っている力を引き出すことや、発揮しやすい環境作りに力を入れた。
長い年月によって形成された伝統についても、理不尽なものや無意味なものは排除し、野球を楽しめるような状況を整備した。
また、仲間同士で高めあったり、学生コーチからのアドバイスで力をつけていく、チームのスタンスも継承しつつ、自分で考えたり工夫することも求めるようにした。
これは、助け合いや支え合いに依存しすぎると、自己解決能力が育たず、同じ失敗を繰り返したり、本物の力が成長しないという、持論からである。
伝統の重圧にも屈することなく、目の前の選手たちに向き合い、変化を恐れない森林監督の慶應義塾から、今後も目が離せない。
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