夏の甲子園で二度の全国制覇経験を持ち、多くの高校野球ファンからブラスバンドの「美爆音」の音色と共に人気を集める名門、習志野高校。
チームを指揮しているのは、選手時代に夏の甲子園のマウンド経験もあるOBの小林徹監督である。
小林監督は1991年に市立船橋高校の監督に就任すると、95年からは激戦区、「戦国の千葉」を3年連続制し甲子園へ導くと、08年に母校習志野の監督に就任後は、11年夏は8強、19年センバツは準優勝という数々の甲子園で結果を残している名将である。
そんな小林監督の指導は、選手の「キャリア」や「考え方」を否定するようなことはせず、アドバイスやサポートに徹している。
例え「キャリア」が過信になっていても、「考え方」が間違っていても、頭ごなしに叱ったり、厳しく躾けたりはしない。
性格や個性などの「特徴」がそれぞれ異なる選手を一人一人尊重しているのだ。
まずは選手たちを知るために、練習を細く観察し、特徴や癖などを把握し、気になった点についてのみ意見交換をしたり、質問することはあるが、無理矢理な一方通行の指導は行はない。
普段の学校の授業の時の口調と変わることなくグランドでも指導し、声を荒げて命令口調で指示をすることなどもしない。
また、選手に突然結論や答えだけを教え、意図や途中式を考えさせるのも小林監督のスタイルである。
生徒から「キャリア」や「考える力」などを奪うのではなく、より広げ成長させる「引き出す指導」が習志野の、小林野球の強さなのだろう。
数々の実績を残し「名将」と称されているが、選手を厳しく指導したり、変な道徳観を押しつけることもなく、目に見える結果や事実だけで判断せずに、選手の気持ちや価値観を、理解する努力を惜しまない小林監督が優勝監督となる日は近そうだ。
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