2008年のセンバツで、2季連続出場を果たし、ベスト16まで勝ち進んだ、三重県の宇治山田商業高校。
当時チームのエースとして、センバツ大会最速記録となる153キロを記録するなどで、注目を集めていたのが、平生拓也選手である。
平生選手は、中学時代は軟式野球部に所属しながら、最速は130キロを超え、県大会優勝や中部地区準優勝にチームを導いた実績を残していたこともあり、入学当初から周囲に期待されていた。
そんな期待を力に変え、1年時から主力投手の一角として活躍を見せ始め、秋の地区大会では参考記録ながら151キロを記録した。
また、入部から約半年で15本の本塁打も記録していたため、投打の柱としてチームの中心選手となっていった。
しかし、平生選手は、最も自信のあった「投球」にのみ専念し、独学で投球フォームや身体の使い方を研究し、更なる進化を遂げていった。
そして、初の甲子園となった2年の夏には、敗れながらも延長15回にも及ぶ引き分け再試合で存在感を見せると、3年のセンバツでは、史上最速記録を更新し、16強進出の立役者となった。
3年夏は怪我の影響もあり、甲子園出場は叶わなかったが、センバツ最速の153キロという未だに超えられない大記録は、現在も語り継がれている。