伝統と実績を兼ね備えている、秋田県の高校野球を牽引し続けている名門、秋田商業高校。
そんなチームを指揮し、春夏合わせて7度甲子園へ導いたのは、OBの小野平監督である。
小野監督が指導者生活をスタートさせた際の高校野球界では、金属バットが導入されたことで、パワー型の野球が主流となりつつあった。
そのため、当初はチームの伝統である「守り勝つ野球」から「打ち勝つ野球」へとシフトすることも考えていた。
しかし、大舞台では1点をいかにして守るかや取るかが勝敗を決めるという持論から、打撃ばかりを重視することはやめた。
もちろん、打撃練習も行ってはいたが、あくまでも実践を想定した上で取り組ませるなど、量より質を追求していた。
また、冬場にグラウンドに雪が積もって練習ができない時には、割り切って基礎体力作りに専念させるなど、ハンデもプラスにしていた。
その結果、春夏合わせて7度の甲子園で、2度もベスト8進出を果たすなど、優れた成績を残せたのであった。
流行りやに惑わされたり、言い訳に逃げるのではなく、現状と課題を冷静に受け止めて、できる努力に最善を尽くす小野監督の教えは、これからもチームの伝統として受け継がれていく。
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