創部100年を超える伝統を誇り、県勢唯一の全国制覇を成し遂げた実績を残している、鹿児島実業高校。
チームを2005年から指揮しているのは、選手時代に主将として春夏甲子園にチームを導いた実績や社会人野球の経験を持つ、OBの宮下正一監督である。
鹿児島実業には、「鹿実の裸練」と称される、平日の朝に上半身裸で1時間に及ぶ基礎体力を鍛える伝統の練習が存在する。
宮下監督は、自身も選手時代にこの練習を経験し、技術や体力だけでなく精神的にも成長できたことから、監督となった現在も引き継ぎ冬場も欠かさず行っている。
また、「グランドだけでは勝てない」をモットーに、野球の技術やセンスをアップさせることだけに拘らず、あらゆる面の成長を目指している。
選手の身体を強化することを目的に始めた「食トレ」では、個々の足りない栄養素を補うオリジナルドリンクを飲むことを日課にさせたり、練習中に捕食を導入するなど、練習の一環として「食事」も疎かにしない。
そして、選手たちと信頼関係を築くために、指導者と選手間で毎日日誌を交換したり、寮で寝食を共にして談笑する機会を作り、選手たちの「父親」のように接している。
1世紀を超える長い時間で作り上げられた伝統を重視しながらも、自身のスタイルも確立しながらチーム作りを行う宮下監督の采配に、今後も目が離せない。
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