「最後は自分、やるのは自分です」/ 樟南 山之口和也監督

鹿児島商工時代から甲子園常連として、全国からも注目集める存在である、九州を代表する名門校、樟南高校。

1994年に夏の甲子園で準優勝、99年から夏の鹿児島大会5連覇など、数々の記録を残している。

そんな伝統と実績のある樟南を2010年から率いているのが、OBの山之口和也監督である。

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山之口監督は、樟南らしい「バッテリーを中心とした、守りからリズムを作る細かな野球」を目指してチームを作っている。

日々の練習では、投手陣を完投できるレベルまで育て、野手にはエラーをゼロに近づけるための基礎基本を丁寧に身につけさせている。

しかし、決してこの「樟南野球」は練習量で培っているわけではない。

平日の練習では3~4時間のみで、甲子園常連校としては少ない方である。

練習量が少ないことで、経験の差で敗戦することもあるが、山之口監督はあえて、練習時間を増やすことはしていない。

少ない練習量をカバーするために、選手が効率の善し悪しを考えるようになったり、試合と同じような「緊張感」と「集中力」を持つような雰囲気で取り組むなど、プラスの要素が多数存在しているからである。

それを象徴するのが、樟南の攻撃の軸であるバンドである。

選手たちには、職人と称されるほどバンドの技術が高い選手が多いが、普段の練習では打撃練習前の数球のみである。

練習機会が少ないことで、1球に対する集中力や緊張感を普段から常に意識しているため、大舞台でも落ち着いて自分の力を発揮できるのだ。

また、練習量を少なくしているには、「やらされてる練習」から脱却するためでもある。

長時間の練習や一方通行の指導では、選手は練習量に甘え、「自信」ではなく「過信」をしてしまい、自ら考えたり、「努力」することがなくなってしまう。

そこで、不安や焦りをあえて少し残した状態にしておき、自然と全体練習の終了後に個人練習を行ったり、 早朝に朝練をするなど、自ら野球を考え向き合う姿勢が身につくようにしているのだ。

他校には練習量では劣ることがあっても、質や取り組む意識では負けないことが、試合では根拠のある「自信」となるのだろう。 

初出場時から、長期間遠ざかることなく、安定し甲子園に出場している樟南

初の全国制覇へ向かって、樟南高校は今日も自ら進んで汗を流して自らを鍛え上げている。

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