「念ずれば花開く」/ 済美 上甲正典監督

宇和島東済美を指揮して、両校で甲子園初出場初優勝の快挙を成し遂げた、上甲正典監督

状況や場面に応じて巧みに選手起用や采配を行うことから、その手腕は「上甲マジック」と評されていた。

そんな「上甲マジック」のタネは、選手たちの意欲を引き出す指導法にあった。

上甲監督は、努力量で成長を促すスタイルであったことから、毎日の練習では厳しく鍛え上げていた。

中でも、トレーニングにおいては、全国トップクラスの量を課していた。

あまりの厳しさと過酷さから、他校の指導者から一目置かれたり、世間から批判されることもあった。

しかし、上甲監督は敢えて膨大な練習量をこなすことが、大舞台での自信となり味方してくれるという持論からこのスタイルを続けていた。

そのため、試合時の劣勢の場面や苦しい展開には必ず、過去の壁を乗り越えたことを思い出させる言葉をかけ、背中を押していた。

しんどさや苦しさにとらわれるのではなく、栄光の訪れを念じ続けたからこそ、上甲監督はいくつもの大輪の花を咲かせることができたのだろう。 

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